サラリーマン生活を長く続けていると、思ってもいないことを口にする場面が増えてきます。
上司の意見に賛同したり、取引先を褒めたり、相手が気持ちよくなるような言葉を選んだり。
いわゆる、おべんちゃらです。
本当は違うと思っていても、その場の空気を読んで賛成する。
サラリーマンなら誰でも一度くらいは経験があるのではないでしょうか。
感覚的には、70%がおべんちゃらで、30%が本音。
そんな割合で会社生活を送っている人も少なくない気がします。
一方で、自分の考えを100%伝えないと気が済まない人もいます。
周囲に忖度せず、思ったことをそのまま発言する人です。
私は、どちらかといえば、そういう人が好きです。
お互いに思っていることを全部言い合える関係の方が、仕事も楽しいと思っています。
しかし、私はしがない下等サラリーマン。
その生き方が正解だとは、とても言い切れません。
むしろ、会社の中では忖度が上手な人の方が出世しているようにも感じます。
では、サラリーマンは本音を押し殺して、サラリーマンらしく生きるべきなのでしょうか。
サラリーマンはなぜ本音を言えなくなるのか
会社には上下関係があります。
上司、部下、先輩、後輩、役員、取引先。
同じ会社で働いていても、それぞれの立場によって発言の重みが変わります。
例えば、上司が新しい企画を提案したとします。
自分としては、その企画はあまりうまくいかないと思っている。
しかし、上司はかなり乗り気です。
そこで正直に反対意見を伝えれば、上司の機嫌を損ねるかもしれません。
逆に、素晴らしい企画ですねと賛同すれば、その場は丸く収まります。
どちらがサラリーマンとして正しいのでしょうか。
仕事の成果だけを考えれば、問題点を指摘した方が良いはずです。
しかし、会社という組織では、正しいことを言えば必ず評価されるわけではありません。
ここがサラリーマン生活の難しいところです。
正論を言った結果、面倒な人だと思われることもあります。
反対に、上司の意見をうまく受け入れる人が、協調性のある社員として評価されることもあります。
会社では仕事の能力だけでなく、人間関係も評価に影響するのです。
思いがあるサラリーマンは100%語った方が良い
私は、自分の中に強い思いがあるなら、できるだけ100%伝えた方が良いと思っています。
特に、仕事の進め方や会社の仕組みに対して改善したいことがある場合です。
せっかく良い考えを持っていても、発言しなければ何も変わりません。
会社の方針に疑問を感じているのに、誰も何も言わない。
そして、決まったことに従って仕事を進める。
その結果、うまくいかなかったとしても、誰も責任を取ろうとしない。
こんな光景は、会社では珍しくありません。
私は、忖度せずに自分の考えを話せる人を尊敬します。
自分の意見を持っているだけでも立派ですが、それを相手に伝えるには勇気が必要だからです。
ただし、100%語ることと、思ったことを何でも口にすることは違います。
自分の考えを伝える目的は、相手を言い負かすことではありません。
仕事をより良い方向へ進めることです。
相手の考えも聞いたうえで、自分の意見をしっかり伝える。
そんな関係が理想だと思います。
私自身も、昔は自分の意見をあまり言えないサラリーマンでした。
年齢を重ねるにつれて、少しずつ自分の考えを伝えるようになってきました。
それでも、相手によっては遠慮してしまいます。
まだまだ下等サラリーマンから抜け出せそうにありません。
100%本音を語る人にも苦悩がある
本音を100%語る人は、見ていて気持ちが良いものです。
しかし、そのような人が会社でうまくいくとは限りません。
なぜなら、会社は結局、人と人で成り立っているからです。
いくら正しいことを言っていても、周囲から嫌われてしまえば、仕事を進めることが難しくなります。
例えば、自分が新しい仕組みを導入したいと考えていたとします。
しかし、導入するためには上司の承認が必要です。
その上司と普段から対立していれば、提案がなかなか通らないかもしれません。
逆に、普段から上司との関係が良好であれば、話を聞いてもらいやすくなるでしょう。
本音を言い続けることで、自分のやりたいことが実現できなくなる。
何とも皮肉な話です。
正しいことを言っているのに、正しいことができなくなる。
そんなことが起こるのがサラリーマン社会なのだと思います。
もちろん、上司の顔色だけで物事が決まる会社が良いとは思いません。
しかし、現実として人間関係を無視して仕事を進めることは難しいのです。
おべんちゃらが上手なサラリーマンほど出世するのか
会社には、上司との付き合いが非常に上手な人がいます。
上司の考えを理解し、適切なタイミングで賛同する。
時には冗談を交えながら、相手を気持ちよくさせる。
こういう能力も、ある意味では仕事のスキルなのでしょう。
私はあまり得意ではありません。
むしろ、思ってもいないことを言うのは苦手です。
しかし、出世している人を見ていると、仕事の能力だけでなく、上の人との関係づくりが上手な人も多いと感じます。
ただ、おべんちゃらだけで出世できるとも思いません。
本当に優秀な人は、上司の意見を尊重しながらも、必要な場面では自分の考えを伝えています。
相手の機嫌を損ねずに、反対意見を伝える。
これができる人は強いです。
単に上司に逆らわない人と、上司をうまく説得できる人では、大きな違いがあります。
サラリーマンとして身につけたいのは、後者の能力です。
サラリーマンは何を我慢して何を進めるかが重要
サラリーマン生活で大切なのは、すべてのことに自分の意見を通そうとしないことかもしれません。
例えば、会議の進め方が少し気に入らない。
資料のデザインが自分の好みと違う。
上司の言葉遣いが気になる。
こうした細かなことまで毎回指摘していたら、周囲との衝突が増えてしまいます。
一方で、業務効率が大きく改善する提案や、会社に損失を与える可能性のある問題については、黙っているべきではないと思います。
つまり、何を我慢して、何を進めるのか。
この選別が大切なのです。
私も仕事をしていると、納得できないことがたくさんあります。
しかし、すべてに反対していたら仕事が進みません。
多少納得できなくても受け入れることがあります。
その代わり、自分が本当に実現したいことについては、できるだけ意見を伝えるようにしています。
小さなことでは譲り、大切なことでは譲らない。
そんなメリハリが必要なのかもしれません。
ただし、安全性や法令違反などに関わる問題は別です。
こうした問題まで人間関係のために我慢する必要はありません。
自分の意見を通すには周囲の協力が必要
自分の考えが上司の考えと異なる場合、どのようにすれば良いのでしょうか。
私は、自分一人で主張するだけでは難しいことが多いと思っています。
例えば、会社の業務システムに問題があり、改善したいと考えているとします。
自分一人が使いにくいと言っても、単なる個人的な不満として扱われるかもしれません。
しかし、ほかの社員も同じ問題を感じていることがわかれば、話は変わってきます。
複数の人が同じ問題を指摘していれば、組織として改善する必要性が伝わりやすくなります。
大切なのは、自分の意見に賛同してくれる人を増やすことです。
ただし、上司に対抗するために仲間を集めるという意味ではありません。
自分の考えが本当に正しいのか、周囲の意見も聞いて確認することです。
もしかすると、自分が正しいと思っていたことが、ほかの人にとっては不都合な場合もあります。
周囲の意見を聞くことで、自分の考えを修正する必要が出てくるかもしれません。
そうして整理した提案なら、上司にも受け入れてもらいやすくなるでしょう。
自分の意見を100%伝えることは大切ですが、自分の意見を100%正しいと思い込まないことも大切です。
サラリーマンが本音と忖度を使い分けるために
では、実際にどのように行動すれば良いのでしょうか。
私が意識したいのは、次の3つです。
1.反対意見を伝えるときは代案も用意する
単に反対するだけでは、相手も困ってしまいます。
問題点を指摘すると同時に、どうすれば良くなるのかを伝える。
これだけでも、相手の受け取り方は変わると思います。
2.相手の立場を理解してから発言する
上司には上司の事情があります。
自分には見えていない会社全体の方針や予算の問題があるかもしれません。
相手がなぜその判断をしたのかを理解することも重要です。
3.本当に譲れないことを決めておく
何でも自分の思い通りにしようとすると疲れてしまいます。
自分が大切にしたいことを決めておけば、無駄な衝突を減らせます。
この3つができれば、単におべんちゃらを言うだけのサラリーマンから、少しは成長できる気がします。
結局サラリーマンはサラリーマンらしく生きるべきなのか
私は、サラリーマンらしく生きることが悪いとは思いません。
会社という組織で働いている以上、周囲との協調は必要です。
しかし、周囲に合わせることばかり考えて、自分の意見を失ってしまうのも違うと思います。
おべんちゃらを言うことが悪いのではありません。
おべんちゃらしか言えなくなることが問題なのです。
理想は、相手を尊重しながら、自分の考えもきちんと伝えられるサラリーマンです。
私はまだまだ、その境地には達していません。
上司の顔色をうかがうこともありますし、面倒なことになりそうなら黙っていることもあります。
それでも、自分が本当にやりたいと思ったことについては、少しずつ発言するようになりました。
サラリーマンとして出世することも大切ですが、自分が納得できる仕事をすることも大切です。
70%のおべんちゃらと30%の本音。
そんなサラリーマン生活を送っている人も、明日は少しだけ本音の割合を増やしてみてはいかがでしょうか。
いきなり100%本音で生きる必要はありません。
まずは、普段なら黙ってしまう場面で、自分の考えを一つ伝えてみる。
その小さな行動が、仕事の進め方や周囲との関係を変えるきっかけになるかもしれません。
サラリーマンらしく生きながらも、自分らしさは失わない。
下等サラリーマンの私が目指したいのは、そんな働き方です。




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